朝顔は普通、夜明け前に咲いて昼前にはしぼんでしまいます。
でも、生け垣などで昼間から咲いている朝顔そっくりの花を見かけたことがありませんか?
ニセモノ?いえいえ、実はあれも朝顔なんです。
朝顔には、朝しか咲かないものと、昼を過ぎても咲いているものと二種類あるために、このようなことが起こります。
また、反対に、『朝9時頃でもまだ咲いていない朝顔』を見かけることもありますね。
これにも理由があって、真夏の暑い時期には、朝顔は早朝の四時頃開花して、9時頃にはもう花を閉じてしまうことがあるのです。
つまり、朝9時に咲いていない朝顔は、“まだ咲いていなかった”わけではなくて、“とっくに咲き終えていた”んですね。
朝顔は、気をつけていないと、咲いているところをうっかり見逃す可能性があります。
今回は、そんな、意外と知られていない朝顔の花の咲き方について、ご紹介したいと思います。
朝顔の花は昼に咲く?朝に咲く昼顔もあった!?
昼に咲く朝顔は、いわゆる「昼顔」とはまた違います。朝顔と昼顔は、ぱっと見の印象は似ていますが、まったく別の種類のお花なのです。
実物を見るとわかりますが、花びらの形もぜんぜん違います。
「朝顔」と「昼顔」は、その名称から、朝に咲くのが朝顔で、昼に咲くのが昼顔というふうに単純にとらえられがちですが、そう簡単に分けられるものでもありません。
まず、朝顔には「日本朝顔」と「西洋朝顔」の二種類があり、日本朝顔は夜明け前に咲いて昼前にしぼんでしまいますが、西洋朝顔は午後になってもまだ咲いています。
一方、昼顔は、早朝に花を咲かせ、お昼を過ぎても咲き続けます。咲いている時間帯で言うと西洋朝顔とまったく同じなので、西洋朝顔を見て、昼顔と勘違いする人がいたとしても無理はありません。
昼顔が、お昼ギリギリまで眠っていて、お昼になったら急に花開き、夕方にしぼむ、、みたいなお昼限定の花だったら、見分けるのも簡単なんですけどね。。。
何にせよ、お花というのは短命ですね。咲くのを1日でやめてしまう朝顔なんかを見ていると、本当にそう思います。
朝顔の花言葉は「愛情の絆・はかない恋」だそうです。なんだかぴったりですね。
朝顔と昼顔の違いと見分け方
さて、西洋朝顔と昼顔を、咲く時間帯で見分けるのは難しいことがわかりました。ではどうしたら良いでしょうか。
ポイントは、花びらの形と色です。咲いた状態のときを見るとよくわかるのですが、朝顔の方が、花が大きいです。
色もカラフルで、濃い赤や紫や青など、鮮やかな色のものが多いのに対して、昼顔は、朝顔よりも花が小さく、色も、朝顔のようなバリエーションはなくて、薄いピンク色一色と決まっています。
花が枯れた後、朝顔は種をつけますが昼顔はつけません。
また、朝顔の葉は1枚1枚が大きく、三本指の恐竜の足あとみたいな形をしていますが、昼顔の葉は、よくある普通の葉っぱの形をしています。
でも、やっぱり通りすがりにぱっと見分けるには色ですね。あと、大きさです。昼顔はやっぱり、見ると『小さいな』と感じます。
まとめ
以上、朝顔の咲き方、見分け方についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
朝顔は、早朝だけ咲いてすぐにしぼむ特性が注目され、“朝”顔と名づけられました。
もしも朝顔がなかったら、昼顔がわざわざ“昼”顔とよばれることはなかったでしょう。
お花が日中咲いていることはべつに当たり前のことで、特別強調するようなことではありませんからね。
昼顔という花の名前は、朝顔のはかなさや、いのちの短さを理解したときに、はじめてその意味が深く感じられるものです。
まるで朝顔を補うために存在しているかのようで、昼顔から想像される物語は、健気で少しせつなく感じますね。