日本最高峰の富士山。登山の経験が無い人でも、一度は富士山に登ってみたいと思っている人も多いはずです。ただ、登山の素人が富士山に挑戦して無事登頂できるのかという心配はありますよね。今回は、登山は初心者の私が登った時の体験をもとに、必要な装備やおすすめのコースを紹介します。
富士山登山は初心者でも大丈夫?
富士山は初心者でも登れます。私も登山など全くしたことが無くても登頂できましたが、ハイキング気分で行くのは無謀です。普段、あまり運動などをしていない人は、登山の一週間前くらいから、かるくジョギングなどをしておいた方が良いでしょう。
登山する時期で注意しておいてほしいのですが、富士山には登山シーズンがあり、登山するルートが山梨県か静岡県かによって登山できる期間も異なります。
富士山の開山期間は、かつてはどのルートも7月1日から8月末の2ヶ月間とされてきましたが、世界遺産登録後の2014年以降から7/1と7/10の2パターンに変わりました。閉山日は全ルート同日の9/10です。この期間には、山小屋も営業されますので、下山道の公衆トイレも稼動しています。
山梨県側(吉田ルート)2017年 7月1日 ~ 9月10日
静岡県側(富士宮・須走・御殿場ルート)2017年 7月10日 ~ 9月10日
お鉢巡りのルート 2017年 7月10日 ~ 9月10日
山開きの日から約2ヶ月間の富士登山シーズンですが、初心者が安心して登山するためには、7月の初めだとまだ雪が残っていることが多いし、7月20日以降が良いでしょう。8月末になるとかなり寒い日が多くなりますので、なるべくならお盆少し過ぎくらいまでに登っておきたいところです。
週末とお盆の時期の富士山はとても混雑します。山頂に続く細い登山道は、身動きが取れないような状態になったりします。できれば平日に登るほうが良いでしょう。
登山シーズンが終わりますと、五合目~山頂までの登山道は全て冬期閉鎖されていますので注意しましょう。私の場合、登山シーズンというものを知らなくて、五合目まで行って引き返した経験があります(初心者のうえ無知でした・・・)
登り方ですが、五合目から一気に頂上まで登ってしまう登り方と、山小屋に宿泊してのんびりと登る登り方があり、初心者におススメなのは、山小屋に宿泊して頂上でご来光という登り方です。
1日目はゆっくりと七合目か八合目の山小屋まで登り、仮眠を取って夜中に頂上を目指し、夜明け前に頂上に到達して、頂上でご来光を拝むのです。混雑する週末などは、頂上までの登山道が渋滞してしまい、ご来光までに頂上に着けなかったということが起きることが多いので注意しましょう。
私が、初めて登った時は、五合目から一気に頂上まで登ってしまう登り方を選びました。夜の8時位に五合目を出発して夜通し歩き、ご来光前に頂上に着くようにするわけですが、登山道には街灯は無く危ないし、夜は冷え込んでとにかく寒いです。暗いから周りの様子も良くわからなく、天気の急変に対応するのも難しくなります。
最終的には、何とか登りきることが出来ましたが、登山から1時間くらいで、あまりのしんどさに後悔しました。体力に自信があっても、やめたほうが良いと思いでしょう。
初心者は高山病にも注意しましょう。運動神経が優れていようが、若かろうが、かかってしまうのがこの病気。七合目、八合目と標高が高くなるにつれて、めまい、吐き気、頭痛が襲ってきます。高山病は降りるだけで治るので、ひどい場合は下山するしかありません。
高山病にならないためにも、五合目に到着したら、すぐに出発せず、準備運動をしたりして、時間をたっぷり使って体を高度にならしてから登山に挑みましょう。
富士山の登山に必要な装備とは
日帰り、山小屋泊、昼行動、夜行動(ご来光目的)いずれにしろ山頂を目指すのであれば防寒、雨具、靴は重要です。
防寒
基本的に真夏でも富士山の頂上は、真冬と同じと考えて間違いありません。その上、高度が上がれば上がるほど、木などの風を遮るものがなく強い風が吹きます。たとえ朝から登って日のあるうちに下山する予定であっても、それ相応の準備が必要となってきます。ご来光目的ならばスキーや、スノボーに行くときぐらいの気合で行った方が良いでしょう。
ただ、登山は歩いている時は暑いし汗もかきます。この時に厚着をしていると、汗をたくさんかいて止まった時に急速に冷えますので、いきなりフル装備でスタートではなく外気温・体温等のバランスを見ながら徐々に重ね着していく事になります。
雨具
雨が降らなければと思われるかも知れませんが必須です。山の天候は変わりやすいですし、仮に雨がまったく降らなかったとしても濃い霧でびしょびしょになったりします。防寒対策でウィンドブレーカー的にも利用しますし、場合によっては砂埃対策としても利用できるでしょう。
靴
登山靴やトレッキングシューズがあれば良いのですが、私は普通の運動靴で登りましたが全く問題ありませんでした。ただ、新品の靴やサイズが合っていないと、登りはまだしも下りで必ず靴擦れやマメができたり、最悪は爪が黒くなって剥離したりしますので履き慣れた靴(慣らしておく)で挑みましょう。登山道にもよるでしょうかどこも砂利が多いですので、足の保護の意味も含めて厚手のソックスを履いた方が良いでしょう。
水・行動食
富士山の山小屋では売店で水やスナック、軽食を提供していますが、かなり割高です。メニューは、ラーメン、うどん、カレー、おしるこ、牛丼、豚汁などです。
カレーライスなどの主食は頂上では1200円くらいしたりと目玉が飛び出るような値段ですので、水や、行動食(チョコやゼリーなど)は、登る前にコンビニなどで買っておいた方が良いでしょう。
その他
晴れた日中に登山をするのでしたら、日の光がきついので帽子、サングラス、日焼け止め等もあった方が良いでしょう。酸素ボンベについては利用したことが無いのでなんとも言えませんが効果は人によりけりのようです。効果があったという人もいますし、まったく効果が感じられなかったという人もいます。
必須装備を削るのは論外ですが、荷物は軽いに越したことはないので必要と感じたら山小屋で調達するという方法もあります。
富士山の登山のオススメのコースとは
「吉田ルート」
一番有名で多くの人が登ります。登山ツアーはここから登るものが一番多いです。交通の便が一番良く、山小屋も多く、山小屋備え付けのトイレも多いので、休憩も含めて安心です。その分、ツアー登山などで登山者も多く、頂上での御来光を観ようと思うと、大渋滞に巻き込まれ登山というより、街中で行列に並んでいるかのような悲惨な状況になります。初心者には安心して登れるコースです。
「富士宮ルート」
登山の距離的には一番短くなります。駿河湾が一望でき、眺めが良いのが人気です。
「須走ルート」
一番静かな登山ルートです。六合目くらいまで緑豊かな場所を、花などを楽しみながら登ることができます。混んでいる時期に登山するなら、このルートがおススメです。ただし八合目で吉田ルートと合流しますので、ここから頂上までは混雑します。
「御殿場ルート」
初心者は避けたほうが良いかもしれません。一番標高差があって、一番長いルートなので、一番厳しいルートということになります。その分、登山者も少ないので、「のんびりと時間をかけて山登りを楽しむ」という人には良いでしょう。登山口の標高が、4つある登山口で一番低いので、登る標高差は当然一番大きいですが、高山病予防の為に標高に慣れていく意味では最適です。
まとめ
富士山は登山の初心者や、初めての人でも登ることができますが、ハイキング気分で行けるような山ではありません。ちゃんとした登山ですので、最低限の知識や装備は必要です。
富士山を登山する際に一番気を付けることが無理をしないことです。体調が悪くなったら無理をせず下山しましょう。せっかく来たから最後まで頑張るという気持ちは素晴らしいのですが、そのせいで命を落としてしまうこともありますので注意しましょう。