急な訃報を受け、初めてお通夜に参列しなければならなくなった場合などは、マナーについて何も理解しておらず、焦ってしまう方は多いのではないでしょうか。
不幸ごとはあってはならないものですが、何かあった時のためにしっかりマナーは身につけておく必要があります。今回やお通夜のマナーや持参する香典の金額、着て行く服装についてまとめたので、もしもの時に備えて下さい。
お通夜の参列マナーとは
葬儀・告別式は日中に行われますが、時間の都合がなかなか取れない場合や、仕事の関係などの理由から通夜のみに参列する機会も多くなり、最近では時間を限って読経、焼香を行われる、18時~19時ごろから1時間程度で終わる半通夜が多く取り入れられています。
時間のマナー
定刻の10分前くらいに到着するのが良いでしょう。しかし突然の訃報を受けて仕事先から通夜に参列する場合は、やむを得ず遅れることもありますが、遅れても駆けつけるのがマナーです。30分程度の遅れなら焼香に間に合うので、受付の人に案内してもらい、静かに後ろの席へ向かいましょう。
受付のマナー
受付では最初に、「この度は、ご愁傷様です」もしくは、「心からお悔やみ申し上げます」とお悔やみの言葉を述べてから、会葬者名簿に記帳して香典を渡します。
香典のマナー
告別式と通夜の両方に参列するときは、通夜では香典を持っていく必要はありませんが、通夜だけに参列するときは、通夜に香典を持っていきます。包むお札は、できるだけ使い古したものを使用しましょう。
香典はふくさに包んで持参するのが正式です。しかし突然の訃報で、ふくさがない場合は、白いハンカチに包んでおきましょう。受付で包みから取り出すようにすると、むき出しのまま差し出すよりていねいな印象になります。
通夜振る舞いのマナー
関東の場合は、通夜終了後に軽い食事が用意されます。遺族にすすめられたら辞退せずに受け、一口でも箸をつけるのがマナーです。実際に食べなくても、せめて割り箸を割って食べ物を少量取り分け、飲み物をひと口くらいは頂くようにしましょう。退席する時は遺族に励ましの言葉をかけ、もう一度故人の霊前に拝礼し、焼香をさせてもらうようにします。
言葉のマナー
お悔やみ事の席では、「死」「死ぬ」「死亡」といった直接的な言葉はマナー違反です。遺族へのあいさつは「お亡くなりになる」「永眠」「他界」などに置き換えましょう。また、「たびたび」「くれぐれ」「皆々様」などの重ね言葉も、不幸が重なることからNGとなります。
キリスト教式や神式では、「冥福」「供養」「成仏」といった仏教用語もマナー違反となりますので注意しましょう。
お通夜参列の際の香典金額は
香典の金額は、故人や遺族との関係の深さや包む側の年齢・社会的地位の他に葬儀の大きさなどによっても変わってきます。一般的に、付き合いが深いほど包む金額が多くなり、反対に付き合いが浅いほど少なく包みます。
兄弟姉妹の場合:3万円~5万円
祖父母・叔父・叔母の場合:1万円~3万円
仕事の取引先の場合:5千円~1万円
会社の上司・同僚・部下及びその家族の場合:5千円~1万円
ご近所の方の場合の場合:3千円~1万円
友人、またはその家族の場合の場合:5千円
香典を包む不祝儀袋の表書きは、宗教によって異なります。
仏式 「御香典」・「御仏前」
神式 「御玉串料」・「御榊料」
キリスト教 「御花料」
宗教が不明 「御霊前」
どの宗教なのか区別がつかないときは、「御霊前」と書いた不祝儀袋に香典を包むのが無難でしょう。不祝儀袋に自分の名前を書くときはボールペンやサインペンで書いてはいけませんので、毛筆または弔辞用筆ペンで薄く書くようにしましょう。
お通夜の参列の服装とは
もともとお通夜は、訃報を受けてから時間なく行われるものなので平服でも良い、また通夜前の弔問のように喪服だと死を準備していたと思われて逆に不適切とも言われていました。しかし今ではお通夜のみに参列する人が増え、お通夜が故人との最後の別れの場になってきており、喪服を着用することが一般的で、平服の人はほとんど見かけません。
お通夜に参列する際の服装は、深く考えずに冠婚葬祭用のブラックスーツ・ブラックフォーマルを着て行けば問題ありません。もちろんネクタイも靴下も靴も黒で揃えましょう。殺生を連想させる毛皮のマフラーやコートも身に着けてはいけません。
また、結婚指輪以外のアクセサリーは着用しないのがマナーですが、唯一の例外はパールのネックレスです。パールは「涙の象徴」なので失礼には当たらないとされていますが、二連のものは「重なる」という意味合いがあり、お通夜や葬儀・告別式の場にふさわしくないので絶対につけてはいけません。
まとめ
お通夜へ参列する際のマナー、いかがでしたでしょうか。訃報は突然にやってきますので、慌てるのも無理はないでしょう。でも、お世話になった方のご逝去に心からご冥福をお祈りするためにも、マナーや作法に関しては心得ておきたいものです。最低限の知識を知っておくことで、お通夜へ参列する際のマナーもしっかりと守ることができます。