お正月は初詣や親戚の集まりなどイベントが多く、その際に包丁を使う場面があります。
しかし、元旦は包丁を使わないほうが良いとも言われています。
でも、実際は元旦に包丁を使うことは、必ずしもタブーではありません。
本記事では、元旦に包丁を使わないほうが良い理由と、使いたいときの方法、包丁を使わないメニューについてご紹介します。
元旦は包丁を使わないほうが良い理由!
日本では、お正月の元旦は包丁を含めた刃物を使わない風習があります。
正月に包丁を使うことが『縁を切る』ことを連想させるためです。
古来より日本では、年の初めにその年の福や豊穣を司る『年神様(福神様)』がおうちに来ると考えられてきました。
年神様が来られるのに合わせて、年末に大掃除をして家を清め、元旦にお迎えするわけですね。
元旦には年神様とともに一年の安寧を願います。
お正月早々からバタバタしていては神様に失礼となるため、お祝いのおせちもお正月ではなく年末に用意しておきます。
また、『一年の計は元旦にあり』という言葉どおり、年の初めの元旦には、その年の計画を立てます。
この時に、年末に大掃除やおせち料理をすることを計画していた場合(本来は計画しておくべきです)は、お正月に料理をしている時点で計画が破綻していることになります。
また、元旦には次の年の計画を立てるための時間も必要なため、料理自体をする時間的余裕がないはずです。
同じように、掃除や煮炊き、喧嘩、お金を使うこと(初詣等のお賽銭は例外)もお正月にはやらないほうが良いとされています。
お正月は冷めてもおいしく食べられるよう、年末までに予め料理し箱詰めしておいたおせちを家族で囲みましょう。
元旦に包丁を使いたい場合は?
どうしても包丁を使いたい場合は、お塩で包丁を清めてから使うようにしましょう。
それでも、『縁を切る』可能性のある包丁ですので、可能な限り短時間で済むよう、包丁を使う場面は厳選しましょう。
使った後も洗剤で洗ったのち、お塩で清めます。
こうしておくことで、年神様のいらっしゃる時間に少しでも身の回りの道具を清めておけます。
ですが、時代が変わり、今ではお正月に包丁を使うことにためらいが無い人も増えています。
仕事環境や子育て環境も昔と今では違うため、必ずしもタブーではないということです。
包丁はいつから使って大丈夫?
基本的に三が日を過ぎれば、通常の生活に戻るため包丁を使っても大丈夫です。
ただし地域によって多少の差はあるので、その地域に合わせて包丁を解禁すれば良いでしょう。
いつも使っている包丁も、休ませてあげたことでしっかりリフレッシュしているはずです。
心身新たに、三が日を過ぎてからの料理に励みましょう。
ちなみに元旦に包丁を使わない理由の中には、普段料理をされる方の体を休ませるためというものもあります。
新年早々バタバタしていては年神様に失礼になる、という理由だけでなく、労をねぎらう意味もあるのでしっかり休ませてもらいましょう。
元旦に食べる包丁を使わないで出来るおすすめメニュー4選
それぞれ紹介していきます。
お雑煮
地域によって中身の具材は異なるかもしれませんが、小豆雑煮の場合の具材はお餅と小豆のみです。
雑煮は一から煮詰めて作っても良いですが、手間と時間がかかります。
最近ではすぐにお雑煮として使えるよう、煮詰めて冷ました状態で缶詰になっているものもあるので、忙しければそちらも試してみてください。
お餅はオーブンでこんがり焼き目をつけ、お椀に盛った小豆の煮汁に乗せれば完成です。
同様に、和風の出汁で煮詰めたすまし雑煮も、材料がお餅と岩のりなので、包丁を使わず調理できます。
田作り
ごまめ(カタクチイワシの幼魚)、しょうゆ、みりん、砂糖にフライパンさえあれば作れる料理です。
フライパンにごまめを入れ、弱火で炒めて冷ましておきます。
同じフライパンにしょうゆ、みりん、砂糖を混ぜ合わせてさっと煮詰めたタレを作り、その中にごまめを入れ、軽く混ぜ合わせて完成です。
お好みで胡麻を加えても美味しいです。
数の子
お正月の定番、数の子ですが、こちらも包丁はいらず、ただ盛り付けるだけです。
黒豆
黒豆は炊飯器でも調理できます。
材料は黒豆、砂糖、重曹、水、醤油、酒です。
洗った黒豆を炊飯器に入れ、水を加えて一晩漬けます。
同じ炊飯器に砂糖、重曹、醤油、酒を加えたら炊飯スイッチを押すだけ!
炊き上がったらおかゆモードでもう一度炊飯し、その後保温にしてしばらく蒸らしたら完成です。
ご家庭に圧力鍋がある場合はそちらのほうが時間もかからず、重曹も不要ですが、圧力鍋がない場合は炊飯器で試してみてください。
まとめ
日本の習わしでは、お正月は家事などでバタバタせず、年神様とともにゆっくりとした時間を過ごすことが望ましいとされてきました。
ですが、時代が変わり、人々の生き方や価値観も一昔前から考えるとずいぶん変わっています。
そのため、昔からの習わしを全て引き継ぐのは時代に沿ってないと言うこともできます。
古来の習わしを闇雲に重視するのではなく、その時代に生きる人々が心穏やかに過ごすために何をすべきか考えて行動したいですね。