秋のお彼岸頃から咲く彼岸花。
お墓参りの際に、見かけるかける事が多く、なんとなく近づきにくくさみしい雰囲気がありませんか?
彼岸花には毒があり、モグラやネズミなどの動物が畑などを荒らしてしまわないよう、それらを防ぎたい場所に植えられている事が多いです。
彼岸花の毒は、特に球根に多く含みますが、花や茎、葉と全体的に毒が含まれています。
虫も寄せ付けないので、虫を食べる動物も近づかなくなります。
土葬が主流だった時は、動物が亡くなった方を掘り起こしてしまう事が頻繁にあったんです。
それを防ぐため、あえて毒のある彼岸花をお墓の近くに植えられています。
そのためお墓参りの際に、目にする機会が多いのでしょう。
毒があるので、他の植物と一緒に咲いている姿をなかなかみませんよね。
ぽつんと彼岸花だけが咲いているのを見かける事が多いと思います。
そのような理由から、なんだか不気味な花というイメージがあります。
別名を「死人花」「地獄花」「幽霊花」なんて呼ばれていて、この花は他にもたくさんの呼び名や説があるのも特徴です。
さて、そんな彼岸花の毒について解説します。
彼岸花の毒はどんな症状を引き起こす?
彼岸花の毒は花や茎を触るだけでは大丈夫ですが、花の毒がなんらかのかたちで口から体内に入ると、吐き気や下痢などの症状を引き起こします。
また、胃腸障害、めまい、筋力低下、呼吸困難、呼吸不全、けいれん、中枢神経の麻痺の症状が現れる事もあり、最悪の場合、死に至るケースもあります。
摘み取る事や切り取る事で、切り口から汁が出てきます。
その汁を触ってしまうと、体内に入らなくても肌が弱い方は触れた部分が毒の症状でかぶれてしまう恐れがあります。
彼岸花の毒の致死量とは
彼岸花の毒の致死量は、約10グラムです。
ネズミなどの小動物は、球根一つで1500匹を死なせてしまうといわれています。
彼岸花はさまざまな毒を含んでいますが、主にリコリンが含まれており、最も毒を多く含む、球根部分約1グラムに0.15ミリグラム程度のリコリンが含まれています。
そのため、致死量を摂取する事の方が困難になりますので、花が咲く時期に、判断のつく大人が大量に摂取することはまずないでしょう。
しかし、球根がノビルやアサツキに似ているため、間違えて食べてしまう恐れがあります。
花が咲いていない時期は見分けが付きにくいので、十分に注意しましょう。
特に気を付けなくてはならないのは、判断が出来ない子供やペットが誤って食べてしまう事です。
2グラム前後の摂取で30分以内に毒の症状は現れ、下痢や嘔吐により体外に毒を出すことができます。
毒の解毒剤はありませんが、直ぐに病院にいき適切な処置を行なって貰いましょう。
また、2グラム以上の摂取で胃腸障害やめまい、呼吸困難などの症状も現れることもあります。
彼岸花は赤以外にも、白や黄色のものがあり、赤い彼岸花と同じく、それぞれ毒があります。
正式には彼岸花の仲間になるのですが、赤色以外の彼岸花にも気を付けて下さい。
昔食料不足の時には、球根の毒抜きをして食料とされていた事もありました。
また薬としても使われてきました。
足のうらに湿布してむくみとりに使用したり、乳腺炎などの腫れものの患部に貼って使用します。
強い嘔吐作用があるので、緊急時に他の毒物を吐き出させるために使用することもあったようです。
まとめ
彼岸花は毒があるとはいえ神秘的でとても美しい花ですよね。
触れたり見るだけなら危険はありませんよ。
近づくなと教わっていた方も多いと思いますが、とても綺麗な花なので咲いている時期は是非観賞してみてください。
また、育てやすい花なので、自分で育ててみるのも良いかもしれませんよ。